医療と社会
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研究論文
内痔核治療に対するOC-108の薬剤経済学的研究
坂巻 弘之池田 俊也池上 直己
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2004 年 14 巻 2 号 p. 2_71-2_84

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抄録
 内痔核治療薬OC-108(以下「OC」という)を経済評価するため,国内で実施されたOCならびに手術についての臨床試験成績ならびに再発調査結果をもとに判断分析モデル・マルコフモデルを用いて手術との比較による重度内痔核に対する薬剤経済学的分析を行った。分析視点を支払者の立場とし,専門医療機関におけるレセプト調査結果により収集した診療報酬を用いた。また,臨床試験においてデータが収集されていた入院期間に着目し,診療報酬が改定される2年間を分析の時間地平とした。分析結果は,OC治療に置き換えることにより2年間で5万1千円の費用削減との結果であった。OCは,入院期間短縮だけでなく,初期治療における疼痛などの発現が少なく,早期に症状が消失しているなどの利点も確認されているので,今後,QOL評価も含めた費用-効果分析の検討によって本剤の特長を明らかにしていくことが重要である。
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© 2004 公益財団法人 医療科学研究所
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