Journal of Inclusive Education
Online ISSN : 2189-9185
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COVID-19の影響で臨地実習未体験の看護大学生に対するシミュレーション演習の効果
―ARCSモデルの4つの側面からの評価―
山崎 千鶴 三浦 美環平川 美和子
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 11 巻 p. 43-55

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抄録
本研究は、COVID-19の影響により基礎看護学実習Ⅱの臨地実習を体験できなかった学生にフィジカルアセスメントに関連したシミュレーション演習を行い、実習への動機づけや不安の軽減などの効果を明らかにすることを目的とし、学習意欲をデザインするARCSモデルの手法を用いて演習を計画した。演習後、学習意欲を測定するための興味度調査(CIS)とグループインタビューを実施した。 CISの平均点は、『注意』4.15±1.07点、『関連性』4.25±1.01点、『自信』3.28±1.33点、『満足感』4.04±1.16点であった。グループインタビューでは【演習から得られた意欲】【課題の明確化】【演習からの学び】【緊張感のある疑似体験】の4カテゴリーが抽出された。今回の対象学生は、患者対応が初めてのためシミュレーションを使用してもバイタルサイン測定の実施は【緊張感のある疑似体験】になっていた。上手く出来なかった原因を学生なりに理解し、【課題の明確化】につなげ、自信を持って患者の対応を行いたいという【演習から得られた意欲】になっていた。演習後の振り返りでは他学生との意見交換の中での気付きなど【演習からの学び】を深める機会となっていた。
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© 2022 一般社団法人アジアヒューマンサービス学会
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