抄録
近年、幼児期における発達支援の重要性が広く認識されるようになり、個々の子どもの特性や発達段階に応じた具体的な指導・教育方法の確立が強く求められている。しかし、これらの課題を包括的に解決するための具体的な指導・教育方法については、依然として体系的な整理が十分になされておらず、保育現場で実践可能な支援の在り方を明らかにすることが今後の重要な課題である。そうした背景のもと、保育現場における教育の困難さを受けて、近年では、子どもの発達特性を把握し、効果的な教育につなげるための評価ツールの開発が進められている。本研究では、こうした課題に対する一助として、CRAYONプロジェクトで開発・運用されている乳幼児評価ツール「CRAYON BOOK〈0歳児版〉」に注目した。そこに記載された教育方法に関する教育プランのテキストデータ16件を対象に、KH Coderを用いた共起ネットワーク分析によるテキストマイニングを実施した。本研究は、乳児教育の記述的データを定量的に可視化することで、教育内容の特性把握と今後の実践指針の策定に資する知見を提供するものである。