抄録
本稿は、欧米の教育におけるインクルージョンとダイバーシティについて検討し、日本の小学校への訪問調査結果と比較することにより、日本のダイバーシティ教育の現状と、どのような課題があるのか明らかにすることを目的とした。そのために、以下のような研究の方法を採用した。1.インクルージョンとダイバーシティとがどのように関連し、インクルーシブ教育は、ダイバーシティという状態においてどのようにアプローチしようとしているのか検討する。2.ユネスコ、カナダ、イギリスにおけるダイバーシティ概念を抽出し比較検討する。3.海外において、どのようにダイバーシティへの取り組みが行われているかを、検討する。4.日本における外国人の集住地区や外国人の多い地域に絞って、小学校を訪問し、通常学級におけるダイバーシティの状況、日本語指導の必要な児童への取り組みについて検討した。