Journal of Inclusive Education
Online ISSN : 2189-9185
ISSN-L : 2189-9185
原著論文
通常学校における多様な生徒の理解と支援のためのツールの信頼性及び判別的妥当性の検証
―特別支援教育の専門性の観点から―
玉那覇 静子 田中 敦士
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 7 巻 p. 26-39

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抄録
沖縄県内の通常学校(中学校)の教育現場で通常の学級に在籍する生徒を対象に,SNEAT10の信頼性と判別的妥当性を検証した。SNEAT10はQOLの概念を取り入れ,「体の健康」3項目,「心の健康」4項目,「社会生活機能」の3領域10項目からなる尺度である。小学校で信頼性(小原・太田・安藤,2016)と判別的妥当性(Kohara, Ando, Yano, et al., 2017)が検証されているが,中学校での信頼性および妥当性はこれまで検証されていなかった。 本研究において中学校でのデータ収集を行い,信頼性を検証した結果,Cronbach's α値が体の健康・心の健康・社会生活機能の3つの領域でいずれも基準値の0.7を上回ったため,信頼性が高い尺度であることが確認された。また,判別的妥当性分析の結果,IN-Child非該当生徒とIN-Child該当生徒の点数が3つの領域のすべてにおいて,p<0.001となり有意な差が認められた。これらの結果により,SNEAT10は小学校だけではなく中学校を含めたの教育現場でのスクリーニングツールとして十分に活用可能であることが示された。
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© 2019 一般社団法人アジアヒューマンサービス学会
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