抄録
EBMの考え方に基づかない、即ち文献のシステマティック・レビューを伴わない診療ガイドラインが、最早診療ガイドラインと呼ばれないことは国際的なコンセンサスと言える。このコンセンサスに基づいて発表者等がこれまで開発に関わってきた診療ガイドライン、我が国のコンセンサスに適った診療ガイドライン、を対象として、その開発手順、情報源、エビデンスの選択結果、そして完成した診療ガイドラインの外形、などに関する国内外事例の比較、検討、評価等を行った。一般的に、わが国の診療ガイドラインが海外のエビデンスに基づいて開発されている傾向が強いと言われているが、個々に分析すると必ずしも単純にその様な断定はし難いことが明らかとなった。なお、厚生労働科学研究費補助金を受けて実施しているEBMに基づく診療ガイドライン開発をサポートするためのホームページ(http://www.ebmguideline.com/, http://www.ebmguideline.jp/)も、併せて紹介する。