情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
第20回情報プロフェッショナルシンポジウム
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09
機械学習を活用した学術分野の自動分類:科研費申請書データを用いた研究
ウェブアプリケーション開発とChatGPTによる研究支援の可能性
荻 多加之
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p. 49-54

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抄録

研究力の分析や評価において、研究内容を適切な学術分野に分類することは重要である。しかし、専門外の人間が多数の学術テキストを客観的かつ再現性を持って分類することは非常に困難である。このような問題に対し、機械学習や自然言語処理技術の活用が模索されている(Goh et al., 2020)。

本研究では大規模で広範な学術分野から構成される科研費の申請書データを用い、自然言語処理アルゴリズムであるBERTによって各研究課題がどの程度の精度で分類可能かを検証した。その結果、81%の課題が正しい審査区分に推定された。さらに研究力分析の場面を想定し、大量のデータを一度に分類可能なウェブアプリを構築した。

今後、ChatGPTをはじめとした機械学習や人工知能技術の発展により、研究支援や研究活動自体への関与が深まることが予想される。日本の研究力が低下するという懸念の中で、人工知能の活用はますます重要になると考えられる。

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© 2023 一般社団法人 情報科学技術協会
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