医療
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フリーズ フラクチヤー法による新生児胸腺の観察
2. 胸腺リンパ球とその分化
浅本 仁古田 睦広
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1975 年 29 巻 4 号 p. 328-340

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抄録
11例の新生児胸腺をフリーズ フラクチヤー法により観察した. ての方法は細胞表面の観察に極めて有効である. 特に, 私共は, リンパ球の核小孔の単位面積あたりの数が, 細胞の代謝活性や成熟度に関係していることに注目し, 核小孔の密度により, 皮質の少ないもの(皮質タイプI)と多いもの(皮質タイプII), 髄質の少ないもの(髄質タイプI)と多いもの(髄質タイプII), 非常に密度の高い大リンパ球及びこれと同程度以上高い小リンパ球(タイプIII)の5つのタイプに分類し, 各々の形態的特徴を示した. またこれらめ胸腺内における分化の過程を推測した. 核小孔の密度の高い細胞程, 副皮ホに対して感受性の高いことが注目され, 副皮ホ投与後の胸腺皮質退縮の機構を推測した.
一連の分化の過程には細網上皮細胞が関与していると考えられ, その形態的特徴と, リンパ球(タイプIII)との関係を述べた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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