抄録
至適治療法の樹立を目指して病型分類を客観性の高いものにしようとする努力が積み重ねられ, 急性白血病に関してはFAB分類, 又, リンパ性白血病について表面マーカーを基準にT, B細胞分類など, ここ数年間に大きな展開をみせた. 現在なお流動的な段階にあるが, 各病型別に染色体異常など病態の差異, 治療法との関係, 並びに寛解率などについて検討中である. 本分類は, Internationalに認められてきているが, 一致率についてはいまだ問題が残されている.
さて, 非定型性白血病の概念は, 必ずしも客観性の高い基準がないが, 歴史的に変遷があり, 今日なお治療法との関係で必ずしも画一的治療大系の設立に至つていない. 以上の点について5人の演者が論及する. 又, 悪性リンパ腫のうち非ホジキン病については, 病理組織分類もなお流動的である, Rappaportの分類に次いで国際分類としてWorking Formulationを中心に新病期分類も提唱されている. 我が国ではLSG分類がほぼ定着し, Working Formulationに近いものとして愛用されている. 一方, 表面マーカー別の機能分類も定着してきており, これらを基準にして非ホジキンリンパ腫の分類と治療法効果との関連を2名の演者が講演する.
最後に我が国に多いT-cell leukemia, lymphomaにつきその特異性を中心に検討がなされる. 以上, 新時代の要望を担う新分類が進歩する治療と相まつて進められている.