抄録
われわれは慢性腎不全の血液透析患者2例の二次性副甲状腺機能亢進症に対し, 副甲状腺を全摘し, その一部を右前腕に移植した.
2例とも透析開始から発症までの期間, 摘出した副甲状腺の重さもほぼ同じであつた. しかし術後早期の低Ca血症には両者間で著しい差がみられた. すなわち1例目は術後著しい低Ca血症となり,術後13日間にわたりカルチコールの原液の点滴を要したのに(最高1日40A), 2例目はカルチコールの投与は3日間ですみ(最高1日25A), 血清Ca値もさほど低下しなかつた.
両者の術前の検査値の中で, 大きく異なつたのは血清アルカリフオスフアターゼ値で, 前者は121.8 K. A. U, 後者は23.2 K. A. U. であつた. PTHや血清のP, Ca値には有意差はなかつた.
以上からわれわれは, 二次性の甲状腺機能亢進症においては, アルカリフオスフアターゼ値がhungry boneの度合を最もよく表わすものと結論した.