抄録
赤血球輸血の現状を最近1年間の全国アンケート調査および国立大阪病院の過去5年間の輸血実態の分析により次の結論が得られた.
1)赤血球濃厚液の使用比率は近畿, 九州, 中国地方に高く, 他の地区ではなお全血輸血が優位を占める.
2)血液疾患に対しては洗浄赤血球など赤血球成分輸血が比較的高率に行われているが, 全般的に赤血球成分の使用はまだ低率である.
3)心臓外科では新鮮全血の使用頻度が高いが, 他の大部分の外科手術は赤血球濃厚液の使用でも充分行い得ることを思わせる.
4)輸血副作用は全血使用例において赤血球濃厚液, 赤血球成分液使用例の1.5倍以上の頻度にみられる.
5)赤血球成分輸血の進展には, 赤血球成分輸血液の安全性, その適応などの教育が必要と思われる.