医療
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脳梗塞急性期における高気圧酸素療法
上野 一義井原 達夫加藤 功橋詰 清隆蓑島 聡吉本 哲之
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1989 年 43 巻 4 号 p. 420-424

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抄録
近年脳梗塞に対する高気圧酸素療法(OHP)の有用性が報告されているが, いずれもコントロールのない治療成績である. われわれは昭和61年10月からOHPを開始したのを機にOHP施行後1年間の脳梗塞30例とコントロールとしてOHP導入前1年間の脳梗塞29例の治療成績を比較検討した.
意識障害と運動麻痺を合わせたneurologic score(NS)は発症1月以後OHP施行例の方がOHP非施行例より良く, 意識障害のみのNSはOHP施行例が, 運動麻痺のみのNSは非施行例の方が回復がよかつた.
CT上の梗塞巣別に比較すると, gylar infarctionではOHP施行例が劇的な回復を示した. lober infarctionでもOHP施行例のNSの改善はよかつたが内包付近に梗塞を認めるdeep infarctionではあまり差はなかつた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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