抄録
世界の精神医療の流れは欧米を中心として大きく変化し, 病院医療から地域医療へと比重を移してきている. しかし, 日本では入院患者が多く, そして入院期間も長く, 地域医療が進展していないと関係者から指摘されてきた.
1991年国連はメンタルヘルスケアのための原則を決定したが, わが国はこの原則を受け入れて法制度を改正し, 精神科リハビリテーションの促進を目指そうとしている. このような動きの中で1998年4月, 日本政府は「精神保健福祉士法」を制定した.
この機会に精神科リハビリテーションの歴史を振り返り, 現状を分析した. そして将来への課題として, 社会復帰施設の増設, 地域支援ネットワークの充実などが重要であることを強調した.