抄録
本研究の研究班に所属している17施設の1996年7月1日から7月31日の1ヵ月間の活動性肺結核患者の合計数(非結核性抗酸菌症も含む), および抗酸菌症の中で間質性肺疾患の合併患者の合計数を集計, 検討した. また1994年から1996年の3年間の33例の個々の症例について詳しく検討した. 肺結核と間質性肺疾患の合併例の特徴は, 1)活動性肺結核患者における間質性肺疾患の合併歩鍍は944例中9例で, 0.95%であった. 2)個々の間質性肺疾患の合併例の検討では, IIP慢性型と膠原病肺で間質性肺疾患の80%以上を占めた. 発症時期は間質性肺疾患先行例が約90%とほとんどを占め, その約80%が肺結核発症前にステロイド薬が使用されていた. 肺結核患者に占める間質性肺疾患の頻度は高率ではないが, 間質性肺疾患を有する患者個々の症例の検討では, 年齢, ステロイド薬の使用, 基礎疾患などの免疫機能の低下が肺結核の発症の誘因になっている可能性が示された. 現在発症率が増加傾向にある特発性間質性肺炎や膠原病肺などの治療薬としてステロイド薬を考慮せざるを得ない疾患群の経過中における重要な注意点として, 肺結核を念頭におく必要があるものと考える.