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高齢者の上腕骨骨折に対する髄内釘の使用経験
浜崎 寛真鍋 健史
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キーワード: 上腕骨骨折, 髄内釘, 高齢者
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2002 年 56 巻 8 号 p. 479-482

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抄録
高齢者の上腕骨骨折の治療法は種々様々ありいずれも比較的良好な成績が報告されているが, 骨の脆弱性が基盤に存在するので保存治療および手術的治療のいずれを選択しても遷延治癒や偽関節を生じやすい. また, それを回避するたあに長期間の外固定を行うと肩関節の拘縮を容易に引きおこすなど問題も多い. 今回, われわれは髄内釘を用いて比較的良好な成績を得た症例を若干経験したので報告する.
症例は4例, 男性1例女性3例, 年齢は69歳から82歳平均76,5歳である. 骨折型は骨幹部2例(AO-A2, A3)近位部2例(いずれもNEER-IIIB)で, これらに対しいずれもリーミングと横止めネジが不要の髄内釘(TRUE/FLEX system)を用いた. 全例とも約3ヶ月で骨癒合が得られ, 臨床成績もほぼ満足する結果が得られた. 高齢者の上腕骨骨折に対して髄内釘(TRUE/FLEX)は有用であると考える.
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© 一般社団法人国立医療学会
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