抄録
強皮症は皮膚真皮深層における膠原線維の増生に始まり, 全身性, 進行性に肺・腎・消化管など内臓器への膠原線維や結合織成分の著明な沈着が特徴であり, diffuse cutaneous systemic sclerosisとlimited cutaneous systemic sclerosisの2型に分類される. 最近, TGF-βが線維芽細胞に作用してコラーゲンやフィプロネクチンなどのマトリックス合成を促進することから, 強皮症の発症に深く関与しているのではないかと考えられている. 治療については症例に応じ, 経口ステロイド剤は有用であると考えられている. D-ペニシラミンの有効性にはなお検討の余地がある.