医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
慢性閉塞性肺疾患(COPD)増悪時の薬物療法
―国立病院機構政策医療呼吸器ネットワーク九州ブロックアンケート調査―
岩永 知秋高田 昇平宮城 茂川畑 政治大津 直也北原 義也川上 健司東賢 次小江 俊行
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 59 巻 8 号 p. 420-426

詳細
抄録
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪はCOPDの重症度のマーカーの1っであり, 増悪の頻度が高いほど不可逆的な肺機能の低下や気道炎症の進展が生じ, QOLの低下や予後不良の結果を招くものと考えられることから, 適切な増悪時の管理が重要となる. 今回我々は九州ブロックの政策医療呼吸器ネットワーク8施設の呼吸器科担当責任者を対象に, 増悪時の管理に関するアンケート調査を行った. 増悪の診断基準は特に膿性疾, 呼吸困難, 低酸素血症の3項目を, また重症度の判断基準は低酸素血症, 次いで呼吸困難, 炎症所見の順に重要視するとの回答であった. 増悪に占める感染の割合は70-95%とほぼ一致し, 感染の判断基準は発熱, 膿性痰, CRP上昇の3項目が重視された. 吸入の第一選択は短時間作用性β2刺激薬(SABA)で一致したが, 吸入頻度は軽症, 重症の増悪の両者とも施設によりかなりの相違が見られた. また, 外来における全身性ステロイド薬の投与は, 投与量, 投与期間ともばらつきが見られ, 入院時の全身性ステロイド薬については薬剤の種類, 投与期間に関して施設により差異が見られた. 外来での使用抗菌薬の頻度はニューキノロン系薬, 次いでマクロライド系薬, ペニシリン系薬の順であり, 入院では第3, 4世代セフェム系薬, カルバペネム系薬の選択順位が高かったが, 投与期間にはばらつきが見られた. 増悪時のSABA吸入, 全身性ステロイド薬, 抗菌薬の至適な投与方法に関して今後さらに細かい検討が望まれる.
著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top