日本画像学会誌
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原著論文
並列化DEMによる2成分電子写真システム現像槽内攪拌挙動に及ぼすトナー帯電量の影響
三尾 浩樋口 亮平石丸 和花奈下坂 厚子白川 善幸日高 重助
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2009 年 48 巻 1 号 p. 9-14

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抄録
本研究では並列化DEMを用い,2成分電子写真システム現像槽内の粒子挙動の解析を行い,トナー付着力,および,静電気力が攪拌挙動に及ぼす影響を検討した.計算粒子数は約33万個(トナー濃度:1.0wt%),総計算ステップ数は7500万ステップである.粒子間付着力や静電気力を考慮しないとき,トナーは攪拌時間の増加に伴い,外壁近傍に偏析した.しかし,付着力,静電気力を考慮した場合は,トナーはキャリア粒子間に存在し,多くの接触点が確認された.しかし,キャリア,トナー間の新たな接触は,帯電量を考慮しているもの方が小さく,さらに,攪拌時間の増加とともに減少した.このことより,帯電したトナーはキャリア粒子表面に付着したまま運動しており,時間の増加に伴い,トナー・キャリア間の電荷移動は減ると考えられる.このことが,実験において帯電量が飽和する原因と考えられる.
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© 2009 一般社団法人 日本画像学会
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