抄録
トナー製品の充填工程は,カラー化やブランド増加により製品バラエティーが増大し,従来のトナー充填装置(市販品)では,品種切替えによる生産性低下が著しく,低コストでものづくりが出来ないという課題があった.この課題を打破すべく“いつでも どこでも 安く 早く充填できる,コンパクトなオンデマンド充填機”の開発に着手し,流動化充填技術(トナーに空気を含ませ液体状にする独自技術)を展開した充填装置を完成させ2000年より量産展開を開始した.小型にできたことにより,設置スペースを1/40に,電気使用量を1/14に,CO2排出量を約1/2削減できた等,環境改善に貢献できた.その後,さらに生産性向上を目的に市販大量型充填機同等以上の充填能力を有する装置の開発を行い,少量~大量のどの物量でも活用可能な充填装置が完成した.主力機種の大量生産ラインから少量生産ラインであるサテライト充填ラインや,海外生産拠点へも展開しており,オンデマンド充填機としては全世界で67台が稼動している.