抄録
脱枯渇資源(バイオマス)を原料とするプラスチックの代表であるポリ乳酸(PLA : Polylactic acid)は,1980年代後半に米国でトウモロコシを原料に,コストダウンの目処が立ち,2002年には,米国Cargill-Dow社(穀物メジャーのCargillと化学会社のDow Chemicalの合弁会社,現Nature Works社)が14万トン/年規模の量産プラントを建造し,生産が開始された.ここから,それまで主に農業用マルチフィルムや包装材などに適用されていたバイオマスプラスチックは,電子機器や事務機器などの構造体への適用が研究・開発され,いくつか実用化されるに至っている.しかし,特に,複合機やプリンターへの本格採用のためには,高植物度化,コスト低減はもちろんとして,現状使用の石油系プラスチックに近い高い基本性能と部品として必要な機能性能を獲得する必要がある.本稿では,複合機やプリンターのプラスチックの要求性能とここにきて採用が進んできたバオマスプラスチック技術について紹介する.