抄録
通常のRGBカラー画像よりも多色のマルチバンド画像を取得し,対象の正確な色再現を行う技術が,近年文化財デジタルアーカイビングにおいて注目を集めている.しかし,マルチバンド画像取得にはカラー画像撮影の数倍以上の時間がかかり,そのことが実用を妨げている.本研究ではマルチバンド画像スキャナにより取得した画像に対して超解像を適用する手法の構築を行った.提案手法は分光反射率推定の手法であるウィナー推定と超解像の手法であるベイズ超解像を組み合わせることにより導かれた.日本画を撮像対象として実験を行い,提案手法による復元画像の精度について定量的な評価を行った.その結果,1.7倍の解像度向上が可能であることがわかった.これは撮像時間を従来の3分の1近くに,さらに画角を1.7倍にすることが可能であることを意味している.