着色剤として硫化物水溶液を用いて,銀薄膜を発色させる新規で簡易的な方法を発見した.特定の硫化物の存在下にて,発色の条件 (濃度,温度など) をコントロールすることで,黄色,赤色,青色,等にさせることができる.この銀薄膜の色変化のメカニズムの解明は,とても科学的見地から意義があると考える.このメカニズムを探求するために銀薄膜や銀ナノ粒子のモルフォロジー,粒径と化学組成について,走査型電子顕微鏡 (SEM),透過型電子顕微鏡 (TEM),X線光電子分光法 (XPS) などで分析を行った.以上の分析結果より,銀薄膜の色変化は銀ナノ粒子の粒径変化による表面プラズモン共鳴が原因ではなく,Ag及びAg2Sの膜間の薄膜干渉が原因であると考える.