抄録
本研究の目的は,固体の蛍光粒子を内包したカポック繊維を漉き込んだ偽造防止用紙を開発することにある.カポック繊維は内径18µm,外径20µmの天然の半透明中空繊維である.撥水性に優れており,毛細管力により油を吸収する性質を有する.一般に合成繊維の中空率が約50%であるのに対し.カポック繊維は80%以上の中空率を有する.我々は,このカポック繊維の特徴を活かすために,固体の蛍光粒子をカポック繊維の中空部に内包させること,そしてそのカポック繊維を紙に漉き込むことを目標とした.その結果,新規な機能性紙を作製することに成功した.この紙は,強い発光性を示す.以上より,固体蛍光粒子を内包したカポック繊維は,偽造防止分野において応用できる可能性があると考える.