抄録
デジタル印刷市場は成長を続けており特に連続帳票印刷においては,高速,低ランコストが求められ,一方,画質に対する要求がそれほど高くないためインクジェット技術が好適である.富士ゼロックス(株)は本市場に集約型高速コンパクト設計をコンセプトとする2800 Inkjet Continuous Color Feed Printing System : ICCFPS (200m/分) と分散型低コスト設計をコンセプトとする1400 ICCFPS (100m/分) を導入した.本論文では各々の装置の技術内容を解説するため,共通する主要構成を1) 機械本体 (紙送り系),2) プリントヘッド,3) インク,インク供給系およびメンテナンス系,4) コントローラに分類し,それぞれ要求される特性と採用されている実現手段を説明した.また,今後のインクジェット技術の進展について,インク噴射に関する高速限界,水性インクの乾燥技術,印刷市場への拡張性について議論した.近年,停滞気味だったインクジェット技術が新たに印刷市場という新天地を得て,今後大きく飛躍していくことを期待したい.