抄録
PODが市場に投入されて20年近くが経過したが,まだ爆発的な普及を見るに至っていない.これは,デジタルデータ自身の不備,POD製品の品質問題,オフセット印刷のPOD性の獲得が原因と考えられるが,急速にこれらの弱点は解消し,旧来の印刷市場が縮小する中,今後の成長が見込まれる.
本論では,トランザクション,コマーシャル,出版,フォト,パッケージのそれぞれのPOD市場の現状と将来性について評価を加える.それぞれの市場は,情報媒体として究極的な可変性を持ったインターネットと競合するようになってきているが,紙ならではの強みを活かし独自の市場を形成すると考えられる.
今後,PODは即時性と可変性を強みとしたニッチ市場にくわえて,環境性能を活かして,オフセットの領域に進出すべきであり,その為の技術開発が望まれる.