2020 年 59 巻 3 号 p. 301-307
我々は,独自に開発した柱状の環状分子 「ピラー[n]アレーン」を基としたソフトクリスタルの開発に取り組んでいる.ピラー[n]アレーンは分子認識サイトとなる空孔を有した構造であり,その空孔に適合したゲスト分子を形状選択的に取り込むことができる.そのため,どのようなゲスト蒸気が選択的に結晶に取り込まれるかが明確である.またピラー[n]アレーンは,相互作用が弱いため通常は取り込むことが困難なアルカン蒸気を結晶中に取り込むことができる.さらにピラー[n]アレーンは,機能性官能基を位置選択的に導入することができ,優れたデザイン性を有している.アルカン蒸気の形状選択的な取り込み能力と優れたデザイン性を利用することで,結晶中へのアルカン蒸気の選択的取り込みを 「目で見える」色変化,状態変化といった応答に変換し,検知することが可能となった.