2021 年 60 巻 4 号 p. 366-372
熱熔融積層方式3Dプリンタはその熔融した樹脂を硬化させて造形を行うため,加熱ヘッドなどの構成要素の問題や,硬化収縮や結晶化収縮等の樹脂が持つ特性から,他の3Dプリンタの造形精度や造形品位を凌駕する方式ではない.このため,現状の用途では廃棄前提の梱包治具や単純な組み立て用の置き治具などへの展開が多い.しかし,「好きな位置に好きな材料を配置する」というアディティブ工法を実現するモノが3Dプリンタであると捉えると,多ヘッドの熱熔融積層方式3Dプリンタは最も適していると考える事ができる.その捉え方に立脚すると「切削加工時の粗撮り時間の短縮技術」であったり,「所望の物性を実現できる材料の複合化技術」など新しい方向性が提案されており,今後のモノづくりに期待できる3Dプリンタである.