日本画像学会誌
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抗菌・抗ウイルス構造膜の印刷
川村 怜志連 陽平
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2021 年 60 巻 5 号 p. 468-477

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抄録

物理的な抗菌機能を持つ微細構造について述べる.抗菌機能を発現させる原理に関しては諸説あるが,吸着エネルギーにより機能が発現しているという先行研究仮説に基づき,吸着エネルギー,細菌の破断条件を導入して計算を行った.計算結果は,先行研究により示されてた微細構造膜の菌種に対する抗菌効果の差を説明することができた.また,ピラー構造の構造因子に応じた抗菌能力をほぼ網羅的に図示した.この仮説を元に設計した微細構造膜を印刷により実現したところ,抗菌機能が発現した.また,この微細構造膜に接触した細菌の経時変化を蛍光顕微鏡測定により行い,細胞膜が微細構造膜側に吸引されるという,仮説を裏付ける挙動を確認した.更に,同様の原理によるウイルスへの効果を狙い,より微細な微細構造膜を製作したところ,抗ウイルス機能の発現を確認した.

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© 2021 一般社団法人 日本画像学会
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