日本画像学会誌
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論文
打滴干渉に対する粒状性向上ハーフトーン技術
鈴木 拓也高橋 浩後藤 隆之村井 宏亘高橋 健太
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2025 年 64 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

インクジェットプリンタにおいて,打滴干渉に起因する着弾後のドット移動は,粒状性劣化の大きな要因となっている.打滴干渉とは,隣接するドットが干渉・合一することにより,ドット位置や大きさ等が変わってしまうことである.特に,高濃度部など,ドットを大量に打ち込む際には避けられない現象である.本研究では,吐出順により生じるインクの着弾時間差が,打滴干渉に影響を及ぼすことに着目し,画質劣化のメカニズムを解明した.そして,従来のドット分散型ハーフトーンを改良し,滴種混在時のドットの埋まりを向上させるハーフトーン技術を開発した.高速印字モードという画質が劣化しやすい条件において,ドット配置を最適化することで,高濃度部の粒状性を改善できることを示した.さらに,効率的にドットが埋まることで,消費インク量を削減できることも示した.

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