大阪・関西万博トイレ7「島の蜃気楼」において,透明ポリカーボネートを大型3Dプリンタで製作した外装材パネルのプロセスを報告する.本プロジェクトでは,大型3Dプリントの課題である熱収縮による歪みや積層テクスチャといった製造上の制約をポジティブに解釈し,設計者との協働によって意匠として昇華させる取り組みである.試行錯誤の積み重ねを経て,風景に溶け込み反射・透過・歪みを伴う蜃気楼のような外観を実現した.また,製造過程で生じた廃材をリペレット化して再利用し,万博会場内および会期後の公共空間における家具へと転用した.建築外装材としての3Dプリントの実践的モデルケースとして,設計・製造・素材の循環にわたるプロセスを提示する.