抄録
気功鍛練として、一種の動功を練習する初心者の練功過程における脳波変化および心拍・呼吸変化を3ヵ月ごと1年にわたり検討した。被験者は、男女2名づつ計4名である。リラックスの指標としての後頭部α波は、月を追ってわずかながら気功中に増大する傾向を示した。後頭部α波に対する前頭部α波の比は、気功中多少増大する様子も見られるが練功過程における変化は明確ではなかった。α波の周波数も、静功で遅く、動功で速くなる傾向を示したが、1年を経過しての変化は明らかではない。心拍数は静功中でも増大した。しかし、練功が進むにつれ、その増大率は小さくなった。