抄録
我が国においても外気治療が広く行われているが、その効果については評価が定まっていない。高いレベルの3名の気功師を用い、40分間の治療の前後における静脈血中のコルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、β-エンドルフィンなどの変動を測定し、気功師と患者との対応関係、気功師による相違などについて検討した。自らの内気を使用するタイプの気功師Aにおいては、外気治療後すべての項目で増加し、その患者においては、すべての項目で減少した。内気を使用しないタイプの気功師B、Cにおいては、ほとんどの項目で減少し、その対応する患者も減少した。外気治療により患者はストレスが緩解し、交感神経活動水準も低下していることが考えられ、内分泌に何らかの影響を与えている可能性が示唆された。