抄録
気功易感受者と非感受者の右手労宮に対して気功を実施し、その際の脳活動の変化を機能的磁気共鳴画像法(f MRI)を用いて検討した。 気功は脳のリラクゼーションに良いとされることから、今回は脳活動の亢進(activation)と活動の低下(deactivation)の両方に注目し、比較検討を行った。気功易感受者では、左1次体性感覚野と右視覚野にactivationの部位が、右1次運動野と前帯状回にdeactivationの部位が観察された。一方、気功非感受看では、それら同部位での活動はほとんど観察されなかった。気功時の脳活動の程度は被験者の感受性により左右され、特に気功感受時には前帯状回に強いdeactivationが発生するものと推測された。