抄録
本研究は、Sherraden et al.(2008)の先行研究を補完する形で、2008年以降に出版された国際ボランティア活動の成果が記されている論文を体系的に整理し、この分野における研究について、今後の課題と展望の導出を目的とした。分析の枠組みとして、Sherraden et al.(2008)が提唱する概念モデルを用いることとした。この概念モデルは、国際ボランティア活動の成果について、「派遣国」、「ボランティア自身」、「自国」という3つの観点から整理していくものである。計23編を分析対象とし、その成果について体系的に整理し、目的達成に向けて検討を行った。結果として、(1)「派遣国に関する成果」に係る研究については、今後も益々の事例研究の蓄積が必要であること、(2)「ボランティア自身に関する成果」に係る研究については、ボランティアの信念やアイデンティティなどの変容に焦点を当てた研究が行われるべきであること、(3)「自国に関する成果」に係る研究については、「ボランティア自身に関する成果」の観点との関係性を明確にするような調査研究が行われるべきであること、の3点が明らかになった。