ボランティア学研究
Online ISSN : 2434-1851
Print ISSN : 1345-9511
GONGOVA参加による意識変容に関する研究
堀之内 裕一
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 22 巻 p. 29-36

詳細
抄録

本研究は、GONGOVA(草の根国際ボランティア研修プログラム)参加前後でどのような意識変容があったかを明らかにすることが目的である。GONGOVA事務局からアンケートを体験してもらい、14名からの回答を得た。平均年齢は23.8歳±6.2であった。対象者には同プログラム参加前と参加後の意識に関してアンケートに回答してもらい、そのデータをKH-Coderを用いて形態素解析をした。その結果、まず「ボランティアとは何か」という問いに対して体験前は「無償で奉仕をし自己の視野を広げる」という回答が多かったのに対して、体験後は「他者との相互関係で当たり前の行動」という回答に置き換わる傾向が見られた。次に「GONGOVAの魅力は何か」という問いに対して、体験前は、日本では体験できない生活や豊かさの再考を求めるといった概念的な回答が多数を占めたが、体験後は言葉(語学)や時間の大切さをあげ、今までの生活を省みる具体的な回答や、その後の進路が明らかになったという回答傾向もみられた。  結論として、GONGOVAを通じて参加者は、ボランティアに対する視点が「他者」への行為から「自己-他者」の関係へと意識変容する傾向がみられ、またプログラム体験後には日常の生活や行動様式、更には人生そのものの指標を具体的に見直し、アクションを起こす原動力が享受されたといえよう。

著者関連情報
2022 国際ボランティア学会
前の記事 次の記事
feedback
Top