2018 年 72 巻 10 号 p. J142-J147
HUD(Head-up display)は自動車のフロントガラス越しにスピードや警告を虚像として表示される表示装置である,その視認性の高さから安全にドライバに情報を提示する手段として,近年急速に搭載車種が拡大している.今後はより安全かつ直観的に情報提示できる表示装置が求められ,HUDは視認性に加えて認知性が重要になってくる.このような将来的要求に訴求する二つの虚像面を有する2-Plane HUDを考案した.実現手段として,バイフォーカルミラーによって一つのDLP-PGU(Picture Generation Unit)から二つの中間像を得る手法および二つの中間像を一対の自由曲面鏡で拡大投影する手法を採用した.虚像の幾何光学的なシミュレーションの結果として,像歪み,結像性能を満足するHUDの成立性を示した.