2026 年 80 巻 2 号 p. 246-251
近年,キャリア理論の研究では,個人の主体性に着目したサステナブルキャリアが注目されている.サステナブルキャリア理論は,キャリアの持続性において,時間,社会的空間,行為主体性,意味が重要であると説明した.個人が主体的にキャリア形成を行う過程においては,環境適応のための学習経験も重要とされる.本研究では,社会的学習理論から発展した自己効力感理論に基づき,離職経験のある既婚女性のキャリア再構築における支援のあり方を検討する.バンデューラ(1977)は,自己効力感が行動選択に影響を与えるとし,レントとブラウン(1994)はこの概念を基盤に,社会的認知キャリア理論(Social Cognitive Career Theory:SCCT)を提唱した.この理論では,自己効力感・結果期待・興味が相互に関係し,職業的選択を導くとされる.また,正社員の離職歴がある既婚女性の事例では,自己啓発講座の受講を通じた自己効力感の変化に注目し,キャリア支援者の役割を考察する.