抄録
蒸着テープの出力(C)及び出力/媒体ノイズ(C/Nm)比を向上させる新規の磁気記録方式を考案した。記録電流を反転する際に一定の電流停止時間を設けるTail-off記録法により、通常の矩形波記録に比べ高起磁力側でCが向上、Nmが減少し、2から3dBのC/Nm比向上が図れた。C向上は、磁気ヘッドの後縁側磁界による減磁を抑え、磁界反転後の後縁側磁界による磁界反転前の記録磁化の強調効果が増したためと考えられる。一方、Nm減少は、最適起磁力の増加に伴って、磁化困難軸方向に印加される後縁側ヘッド磁界が増加し、磁区が狭小化したことによると考えられる。