抄録
動画像の動き補償に関して, 実に様々な方式がこれまで提案されているが, 性能に関する優劣は, 個々に議論されているものの, 必ずしも公平な条件の下では行われていない。本稿では, 代表的な動き補償方式として, ブロックマッチング, アフィン変換を用いた動き補償, Warping予測, グローバル動き補償の4方式を対象とし, MPEG-2という代表的な圧縮方式の下で, しかも共通なテスト画像に対して, その有効性を比較検討した。その結果, これまで性能改良で提案されてきた動き補償方式は, MPEG-2上ではいずれも従来のブロックマッチングを性能的にしのぐものではないことを示す。