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残留DC現象に対して、液晶層内のイオンによる電極分極だけでなく、配向膜、液晶層の配向分極まで含めたモデルを示し、このモデルに基づいて負の誘電異方性を有する液晶材料の残留DC特性の評価を行った。配向分極モデルのシミュレーションより、配向膜の比抵抗値が1.0×10^<14>[Ωcm]よりも大きくなると配向分極による残留DCが影響を与えることが示され、実験により検証された。また、比抵抗値の低い配向膜においては、液晶層中にイオンを取り込みにくい液晶材料が、比抵抗の高い配向膜に対しては、液晶層中にイオンを取り込みやすい液晶材料が残留DCを小さくすることが明らかとなった。