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天文学の分野では、太陽の活動を知るための手がかりとして、太陽観測衛星「ようこう」が撮影した2次元のX線画像データから、太陽コロナなどの3次元的な情報を再現して観測することが望まれている。「ようこう」が撮影した画像は単一の固定カメラからの画像であるが、太陽の自転によって異なる視角を得て、ステレオ立体視法により立体画像を得ることができる。しかし、太陽表面のテクスチャは自転の間に変化するため、ステレオ画像ベア間に誤差が生じて立体感を損ねてしまう。そこで、本研究では「ようこう」が撮影したX線太陽画像から良好な立体画像を構成するため、モルフォロジー処理とアフィン変換を用いて太陽表面のテクスチャの変化を補正する手法を検討し、その有効性を検証するためコンピュータグラフィクス(CG)で作成したモデル画像に対して補正実験を行う。