携帯電話などの普及により, 移動体通信の利用は急速に増加している.そこで, 携帯電話などの小型無線機用アンテナの放射特性に対する人体の影響, 人体が電磁波から受ける影響は重要な研究課題と考えられている.本報告では損失誘電体楕円筒を人体と見なして楕円筒近傍の線電流による放射特性, 誘電体内部の損失電力, 誘電体内部のSARについて波源が線電流1本による無指向性の場合と2本で指向性を与えた場合について2次元境界値問題として検討した。その結果, 線電流2本で指向性を与えることにより, 線電流1本の場合に比べて損失電力, SARともに体への電磁波の影響を抑えられることを報告する.