抄録
フィールドシーケンシャル駆動カラーTN-LCDへの応用を目的として、高複屈折率(△n)と低回転粘性係数(γ_1)を持つ液晶材料に関する研究を行った。新規トラン骨格の液晶化合物の導入により、目的の液晶組成物を開発することができた。これらの液晶は、室温のみならず、低温でもフィールドシーケンシャル駆動が可能であることが確認できた。このことは、広い温度範囲で使用可能な、高輝度のカラーLCDが、TNモードで開発可能であることを意味している。一方で、トラン骨格の液晶化合物は、一般的に信頼性に懸念を持たれている。開発した液晶組成物の高温での電圧保持率の測定、また、キセノンランプを用いた耐光性の試験を行った。それらの結果より、通常使用条件では問題無くAM-LCD に適応できることがわかった。