抄録
インターネットにおける新たなネットワークモデルとして、ピア・ツー・ピア(P2P)サービスが注目されている。しかしながら、現在のP2Pサービスが構成する分散ネットワークは必ずしも実ネットワークのトポロジーを考慮しておらず、物理ネットワークの状況によって品質に大きな影響が出る可能性がある。そこで本研究では、物理ネットワークを考慮した分散ネットワークトポロジーの構築手法を提案する。まず、P2Pサービスの論理ネットワーク構築のためのパラメータについて、トラヒック計測よりその特性を明らかにし、適切なパラメータ導出法を示す。また、サービス中に発生する制御トラヒックについても考察し、パラメータによる影響を明らかにする。さらに、物理ネットワーク計測にもとづくピア選択手法を新たに提案し、シミュレーションおよび実測評価を用いてその有効性を検証する。