昨今,時空間的に制御可能な香り提示装置として,香りプロジェクタの研究が行われている.これは,空気砲の原理を用い,渦輪に香りを載せて特定のユーザに香りを提示する装置である.しかし,渦輪と共に発生する尾が意図しない香り拡散の原因となり,香り提示の局所性を確保する上で問題となっている.本研究では,この渦輪の尾問題の解決に向け,空気砲体積変化と渦輪の尾の関係をコンピュータシミュレーションを用いて明らかにした.結果として,香りプロジェクタとして空気砲を運用するには,ユーザまでの距離と,ユーザを中心とした局所性保持可能半径から体積変化量を,確保したい渦輪の進行速度から体積変化速度を決定する必要がある事がわかった.