映像情報メディア学会技術報告
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セッションID: HI2009-127/CE2009-63
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物体の心的操作における多重の参照枠(視知覚とその応用,一般)
朝倉 暢彦乾 敏郎
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抄録
物体の心的表現やその空間変換イメージの生成においては,物体中心の参照枠とともに環境中心の参照枠が関与していることが明らかにされている.本研究では,異なる参照枠がそれぞれ物体の心的回転の過程にどの程度寄与しているかを,回転軸が曖昧な心的回転課題を通して検討した.刺激は円盤物体で構成され,心的回転のテスト刺激とターゲット刺激の間の3次元回転軸に1パラメータの曖昧さが導入された.その可能な回転軸の中には,最小回転を実現する物体固有の回転軸とともに垂直あるいは水平の環境軸が含まれていた.実験参加者はテスト刺激の滑らかな回転運動をイメージし,回転後にテスト刺激上に描かれた矢印がどの方向を向くかを報告した.そしてその矢印の方向に基づいて心的回転で用いられた回転軸を推定した.その結果,心的回転方向の決定において垂直軸が大きな効果を持っているのに対して,水平軸はほとんど寄与していないことが明らかとなった.さらに,心的回転の角度が小さい場合には,観察者の視点の回転に基づくイメージ生成機能の関与が示唆された.これらの知見は,物体の心的操作において多重の競合する参照枠が機能していることを示すものである.
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© 2009 一般社団法人 映像情報メディア学会
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