映像情報メディア学会技術報告
Online ISSN : 2424-1970
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セッションID: HI2009-129/CE2009-65
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格子型消失錯視に及ぼす刺激の提示時間の影響(視知覚とその応用,一般)
蘭 悠久北岡 明佳
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抄録
格子型消失錯視の時間特性を検討した.黒い縁のある白い円が,黒い背景上の灰色の格子の交差点(交差点条件)あるいは交差点の上下(道条件)に,あるいは一様な黒あるいは灰色の背景(背景条件)上に,提示された.実験1は刺激の提示時間および円の網膜偏心度の影響を調べた.実験2は刺激の提示視野の影響を調べた.被験者の課題は知覚された白い円の数を報告することであった.2つの実験結果は,交差点条件において,(1)提示時間が1000ミリ秒以降長くなるにつれて,円が知覚されにくくなること,(2)円の網膜偏心度が大きくなるにつれて,円が知覚されにくくなること,(3)提示時間200ミリ秒においては上視野に提示された円は下視野に提示された円より知覚されにくかったが,提示時間6000ミリ秒においてはこの異方性がないことを示した.これらの結果から,消失錯視の生起確率は提示時間および網膜偏心度に依存することが示された.
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© 2009 一般社団法人 映像情報メディア学会
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