映像情報メディア学会技術報告
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セッションID: AIT2010-26/HI2010-26
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AVC/H.264スケーラブル拡張方式SVC(Scalable Video Coding)概説(ITS画像処理,映像メディア,視覚および一般)
坂東 幸浩早瀬 和也藤井 寛高村 誠之如澤 裕尚
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抄録

多様なネットワーク環境・表示端末に柔軟かつ効率的に対応可能なスケーラブル映像符号化が、今後の映像配信においては重要となる。AVC/H.264標準化の成功を受け、ISOとITU-Tでは、AVC/H.264のスケーラブル拡張規格を標準化した。この拡張規格が、SVC(Scalable Video Coding)と呼ばれる。SVCの特徴は、AVC/H.264の符号化ツールを利用することで、スケーラビリティ機能と符号化効率の両立を図った点にある。符号化ストリームは、階層構造により構成され、空間、時間、画質の3種類のスケーラビリティに対応している。また、基本階層の符号化ストリームは、AVC/H.264との後方互換性を保持している。本稿では、SVCの標準化の経緯、技術的な特徴について概観する。技術的な特徴としては、前述の3種類のスケーラビリティの実現方法、符号化効率向上のために導入された階層間予測を中心に解説する。また、SVCへの採用は見送られたが、標準化の過程で議論されたmotion-compensated temporal filtering(MCTF)についても言及する。あわせて、SVCの応用事例を紹介する。

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© 2010 一般社団法人 映像情報メディア学会
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