映像情報メディア学会技術報告
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セッションID: EID2010-24
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355nmレーザアニールによる希土類添加SrGa_2S_4薄膜蛍光体の作製(発光型/非発光型ディスプレイ合同研究会)
山崎 貴久清野 俊明小南 裕子中西 洋一郎畑中 義式原 和彦
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抄録
レーザアニールを用いた薄膜蛍光体の低温作製技術について研究を行っている。蛍光体にSrGa_2S_4:Eu^<2+>を用いており、Ga_2S_3:Eu(1mol%),SrS:Eu(2mol%)の二つのペレットを二元電子ビームにより蒸着させ、プレアニール(500℃)後Nd:YAG(355nm)レーザアニールを行い薄膜を作製している。本研究では355nmレーザによって薄膜が結晶化されるメカニズムを考察するため、SrS:Eu,Ga_2S_3:Eu薄膜の分光透過率を測定し、これを元に熱伝導方程式を用いたシミュレーションを行った。355nmにおける透過率はGa_2S_3よりSrSの方が大きく、レーザエネルギー吸収による熱発生の割合はGa_2S_3の方が大きいという結果がシミュレーションより得られた。このことよりレーザアニール中Ga_2S_3が主にレーザ光を吸収、発熱し、その熱が伝わりSrGa_2S_4が結晶化されたものと考えられる。また、レーザアニールに対し発振周波数がどのように寄与しているか調べるため、周波数を8kHzから10Hzへと変更した試料を作製した。10Hzレーザアニールの試料はほとんど発光を示さず、XRD測定結果からアモルファスであることが分かった。これは低周波数のレーザではパルス間の時間が長いため、吸収による温度の上昇がパルス毎に加算されなかったためだと考えられる。
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© 2011 一般社団法人 映像情報メディア学会
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