抄録
MIMO通信端末を模擬電波環境で評価したい場合には、OTA(Over-the-Air)状態での測定評価環境が必要になる。具体的な構築法には、周囲に仮想散乱体アンテナを配置してフェージング環境を作り出すフェージングエミュレータ型と、電波反射箱型(Reverberation Chamber)環境とがある。本稿では、電波反射箱方式の弱点といわれている伝搬パラメータ制御に関して、文献[9]で報告した電波吸収シートを用いる遅延スプレッド制御方法の、より大きな吸収シートを用いて制御範囲を拡大した結果について報告する。また、端末設置エリアにおいて、統計的に一定とみなされるエリアの大きさを明らかにする。